
マンション売却の平均期間は?期間の内訳やすぐ売れるためのコツを解説
マンションを売却する際に多くの方が気にするのが、「どれくらいの期間で売れるのか」という点です。
スムーズな売却を目指すには、査定から引き渡しまでの流れや平均的な売却期間を把握しておくことが重要です。
売却に時間がかかる原因や早く売るためのコツを知っておけば、着実にマンション売却を進めることができます。
マンション売却の平均期間はどれくらい?
所有しているマンションを売却しようと考えている人の中には、どれくらいの期間で売却できるのか気になる方が多いのではないでしょうか。
マンション売却は、準備期間から売却活動、引渡しまで5カ月前後の期間がかかります。ここでは資料を元に、マンション売却の平均期間や売却までのステップごとにかかる期間について解説していきます。
マンション売却の平均期間は約3~5カ月
こちらの表は、レインズに物件情報が登録されてから成約に至るまでの日数を表したものです。
赤枠で囲まれた中古マンションの日数を見てみると、物件情報を登録してから70〜85日で成約に至っていることが分かります。つまり、物件を登録してから成約までおよそ3カ月程度はかかるということです。
登録前に行う査定や媒介契約、成約後の引渡しなどの期間を考慮すると、マンション売却では3〜5カ月の期間がかかると考えてよいでしょう。
出典:公益財団法人東日本流通機構|首都圏不動産流通市場の動向(2024年度)
売却ステップ別の平均期間
中古マンションの売却は、①価格査定→②媒介契約締結→③売却活動→④売買契約締結→⑤引渡し、という流れで進んでいきます。
ステップごとにかかる期間を表にまとめました。
売却までの流れ | 説明 | 期間 |
---|---|---|
①価格査定 | 不動産会社に依頼し、物件の価格査定を行う | 0.5〜1カ月 |
②媒介契約締結 | 売却活動に向けて、不動産会社と媒介契約を締結する | |
③売却活動 | 購入希望者を募ったり、内覧対応を行ったりする | 3カ月 |
④売買契約締結 | 買主と売買契約を締結する | |
⑤引渡し | 売買代金の受領と同タイミングで引渡しを行う | 1カ月 |
価格査定と媒介契約締結は売却活動前の準備期間にあたります。
準備期間で約1カ月、売却活動期間が3カ月、売買契約から引渡しまでに1カ月、トータルで5カ月程度の期間がかかると見込んでおきましょう。
マンションの売却期間に影響を及ぼす要素
マンションの売却期間は、売り出すマンションの築年数や立地、売り出し価格、不動産会社との媒介契約の種類などさまざまな要素によって左右されます。
これらの要素次第で、マンションの売却期間を早めることができたり、逆に遅らせてしまったりすることがあります。
売却期間に影響を及ぼす要素についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
マンションの築年数や立地
マンションを早く売却したいのであれば、需要のある築25年以下で売り出すのがおすすめです。
上記の表は2014〜2024年までの10年間における、中古マンションの成約状況を築年数別にまとめたものです。
表の築年数の項目を見てわかるとおり、どの年も築6年〜25年以下のマンションの成約率が高くなっています。
築年数が25年を超えると、買い手側が住宅ローン控除を受けられないなどの理由から売却しにくくなります。一方で、築40年以上のマンションは、売却価格が安くリノベーションのしやすさから成約率が高くなっています。
売却を考えているマンションが築25年以下、もしくは築40年以上であれば短期間で売ることも可能です。
出典:公益財団法人東日本流通機構|築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2024年)
売却価格の適正さ
3〜5カ月で中古マンションを売却するには、適正な売却価格を設定することが重要です。
価格が相場よりも安すぎると売り手側が損をしてしまいますし、高すぎるとなかなか買い手が現れない可能性があります。売却価格は、不動産会社の査定価格を参考に設定するのが基本です。
適正な価格を設定するためには実績のある不動産会社や、そのエリアのマンション相場に詳しい不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。
物件の写真や間取り図の有無
マンションの購入希望者は、最初に物件の写真や間取り図などの情報を確認します。写真や間取り図がない物件は、「物件の状態が良くないのでは?」など悪い方向に判断されることがあります。
写真はマンションの雰囲気やイメージを伝えるアピールポイントです。マンションの魅力を伝えるには、鮮明で見やすい写真の掲載が効果的です。
また、1部屋につき、空間の広さがわかる引きの写真と、設備がわかるズームの写真を撮るとよいでしょう。
媒介契約の種類
売却活動を開始する前に、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3つがあります。
専任媒介契約と専属専任媒介契約は、指定流通機構(レインズ)への物件登録と、売主への定期報告が義務付けられています。
一方、一般媒介契約は多数の不動産会社に依頼できますが、レインズへの登録は任意であり、売主への報告義務も課せられていません。
そのため、早くマンションを売却したい方や手間をかけずに売却活動をしたい方は、専任媒介契約や専属専任媒介契約がおすすめです。
建物や設備の管理状態
中古マンションの売却において、建物や設備の管理状態は査定や売却の成否に大きく影響します。
築年数が経過しているマンションは共用部の管理状態や、劣化の状況が特に重視されるでしょう。大規模修繕工事が行われていたり、室内にある住宅設備の修理・修繕を行っていたりする物件は、築年数が経過していても売却できる可能性が高いといわれています。
リフォームまではしなくとも、床の小さな傷やクロスの剥がれなど、きれいに修繕しておくことも大切です。また、内覧時は部屋に余計なものは置かず、スッキリと整理整頓して見える状態にしておきましょう。
日本の金利動向
日本の金利動向は、マンション売却に与える影響が大きいといわれています。
まず金利が上昇した場合、住宅ローンの利息が増えるため買い手側の総返済額が増加し、負担が重くなります。
これにより、マンション購入を検討する人が減少し、不動産の需要が低下する可能性があります。需要が落ち込むと売り手側は価格を引き下げざるを得ず、不動産価格の下落につながります。
一方、固定金利が低下することでローンの借入コストが抑えられ、購入需要が高まり、売却価格の上昇を後押しすることが考えられます。
こうした金利の影響を踏まえ、金利が一時的に落ち着いたタイミングや、転勤や入学シーズンなどの繁忙期にマンションを売却するのがおすすめです。
平均期間より早くマンションを売却するポイント
中古マンションの売却を検討している方の多くは、できるだけ早く売却したいと考えるでしょう。中古マンションを平均期間より早く売却するポイントは以下の通りです。
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
- 売却価格を相場より下げる
- 内覧希望者への対応を工夫する
これらのポイントを参考にマンションを早く売却できるよう準備を進めていくことが大切です。ポイントごとに詳しく解説していきます。
複数の不動産会社に査定を依頼する
どの不動産会社に仲介を依頼するかによって、売却価格は変わってきます。そのため複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額を比較検討しましょう。
複数の会社に査定を依頼することで相場や最安値、最高値を把握できます。査定額を比較検討するために、一括査定サービスを利用するのも一つの手です。
査定額だけで不動産会社を選ばずに、不動産会社の得意分野を把握することも大切です。
中古マンションの売却を得意としている会社、売却するエリアに強い会社や売却活動を明確に提案してくれる会社、営業の対応が信頼できる会社を選ぶこともポイントです。
相場よりも売却価格を若干下げる
マンションを平均期間より早く売却するためには、査定額と同じ価格か若干減額するとよいでしょう。
買い手側は周辺のマンションをいくつか内覧したうえで比較するため、相場より高い価格のマンションは成約に繋がりにくい傾向です。
しかし、あまりにも売却価格を下げてしまうと、売却益が減ってしまったり損してしまったりする可能性があります。
そのため、マンションの立地や築年数、間取りなどを考慮し、不動産会社と相談しながら価格を設定することが重要です。
内覧希望者への対応を工夫する
マンション売却を成功させるためには、買い手側の印象を良くすることが大切です。そのため、内覧準備を念入りに行いましょう。
室内の掃除や整理整頓はもちろんのこと、共用部のエントランスやエレベーターなども掃除しておくと印象アップにつながります。室内ではキッチンや浴室、洗面所などの水回りは、内覧者が特に気にする場所です。
汚れがなかなか落ちないというときは、ハウスクリーニングを利用するのも一つの方法です。また、内覧者から質問があった際にスムーズに答えられるよう、不動産会社と事前に相談して、マンションの良さをアピールできるようにしましょう。