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マンション売却後の手取りを解説!計算方法や手元に残る額を増やすコツ

マンションを売却して得られるお金は、すべて自分の手元に残るわけではありません。仲介手数料などの諸費用や税金、住宅ローン残債を差し引いた「手取り金額」です。

 

不動産の売却価格だけを見ていると、予想よりも少なくて驚く方もいるでしょう。手取りの仕組みや計算方法を解説しますので、きちんと理解することで納得のいく売却につながります。

マンション売却の手取り金額とは?

マンション売却における手取り金額とは、最終的に売主の手元に残る金額を指します。「売却価格=手取り」ではありません。

 

最初に、マンション売却をはじめとした不動産売却における手取りの意味や計算方法について解説します。

 

手取り金額の基礎知識

マンション売却における手取り金額は、売却価格から税金や売却時に支払う諸費用を差し引いた金額です。マンション売却に関連する手続きが完了した後、最終的に手元に残るお金だと考えてください。

 

手取り金額の計算方法

マンション売却の手取り金額の計算方法は以下の通りです。

 

マンションの売却価格 -(売却にかかる諸費用+売却にかかる税金+ローン残債)=手取り金額

 

マンション購入時に組んだローンが残っている場合、売却時に住宅ローンの一括返済も行います。ローン残債はマンション売却で得たお金から支払うのが一般的なため、手取り金額の計算時にはローン残債を控除しましょう。

 

マンションの売却価格は不動産会社に査定を依頼すると相場が分かるので、どのくらい手元に残るのか事前に概算を出しておくのもおすすめです。

 

マンション売却における手取り金額の内訳

マンション売却における手取り金額は、売却価格から以下の3つを控除した金額であると紹介しました。

 

  • 売却にかかる諸費用
  • 売却にかかる税金
  • ローン残債

 

手取り金額を正しく計算するには、控除すべき支出について具体的に知っておく必要があります。前述した3つのうち、売却にかかる諸費用と税金、それぞれに該当する項目について詳しく解説します。

 

売却にかかる諸費用

不動産売却にかかる諸費用に該当する費用は以下のとおりです。

 

  1. 仲介手数料
  2. 売買契約書に貼付する印紙税
  3. 住宅ローンの繰上返済手数料
  4. 抵当権抹消登記にかかる費用
    (登録免許税、司法書士への報酬など)
  5. 必要書類の発行手数料
    (登記事項証明書発行費用、住民票発行費用、印鑑証明書発行費用など)
  6. 引越し関連費用
  7. ハウスクリーニングやリフォームにかかる費用

 

このうち、1の仲介手数料と2の印紙税は原則としてすべてのケースで発生します。その他の費用は状況によっては発生しない可能性もあります。

 

売却にかかる税金

マンション売却にかかる税金としては、主に譲渡所得税が挙げられます。

 

譲渡所得税とは譲渡所得に課せられる所得税、復興特別所得税、住民税の総称です。課税対象となる譲渡所得は以下のように計算します。

 

譲渡価格 -(取得費+譲渡費用)=譲渡所得

 

上記の計算式に出てくる用語の意味は以下の通りです。

 

  • 譲渡価格:不動産の売却価格
  • 取得費:不動産の購入にかかった費用。購入代金、手数料、設備費、改良費など
  • 譲渡費用:不動産の売却に直接要した費用。仲介手数料、印紙税、繰上返済手数料など

 

譲渡費用と前述した「売却にかかる諸費用」は似ていますが、該当する費用に多少の相違があります。たとえば、引っ越し費用や登記関連費用、ハウスクリーニング・リフォームにかかる費用は譲渡費用には含まれません。

 

譲渡費用に該当しないものまで計算に含めてしまうと譲渡所得の金額にズレが生じ、税額も誤った金額になってしまうため注意しましょう。

 

税額は、前述の式で計算した譲渡所得に税率を乗じて求めます。適用する税率は不動産の所有期間によって以下のように異なります。

 

所有期間 所得税および復興特別所得税 住民税 所得税・復興特別所得税・住民税の合計
5年超

(長期譲渡所得)

15.315%

(所得税15%)

5% 20.315%
5年以下

(短期譲渡所得)

30.63%

(所得税30%)

9% 39.63%

出典:土地や建物を売ったとき|国税庁

 

なお、印紙税や登録免許税も税金ではあるものの、これらは前述した「売却にかかる諸費用」に含められるのが一般的です。

 

マンション売却の手取り金額をシミュレーション

マンション売却の手取り金額のシミュレーションとして、具体的な例を用いて計算します。

 

今回は購入時よりも値上がりしたケースを想定しているため、条件は以下のとおりです。

 

  • マンションの取得費:合計5,000万円(購入代金+諸経費)
  • マンションの売却価格:5,500万円
  • 売却にかかった諸費用:合計240万円
  • 仲介手数料:180万円
  • 印紙税:3万円
  • 住宅ローンの繰上返済手数料:なし
  • 抵当権抹消登記にかかる費用:登録免許税と司法書士報酬 合計7万円
  • ハウスクリーニング費用および引越し費用の合計:50万円
  • 売却にかかる税金:この後計算
  • 住宅ローン残債:3,500万円
  • 所有期間:5年超(長期譲渡所得に該当)

 

手取り額を求めるため、まずは売却にかかる税金の計算が必要です。

 

譲渡費用に該当するのは、仲介手数料180万円と印紙税3万円の合計183万円です。登記関連費用、ハウスクリーニング費用および引越し費用は譲渡費用に含まれません。

 

以上のことから、譲渡所得は以下のようになります。

 

売却価格5,500万円-(取得費5,000万円+譲渡費用183万円)=317万円

 

今回は長期譲渡所得に該当するため譲渡所得税の税率は20.315%です。したがって、譲渡所得税は次のとおり計算できます。

 

317万円×20.315%=64万3,985.5円 小数点以下切り捨てのため64万3,985円

 

続いて手取り額を計算します。譲渡所得の計算時と違い、手取り額の計算ではマンションの取得費は用いません。

 

今回の例の場合、計算式は以下のようになります。

 

売却価格5,500万円-(売却にかかった諸費用240万円+税金64万3,985円+ローン残債3,500万円)=1,695万6,015円

 

最終的にマンションの売却価格が5,500万円、手取り額は1,695万6,015円となりました。物件の築年数や立地などによって売却価格には差がありますが、売却価格=手取りでないことが分かります。

 

マンション売却で手取り金額を増やすコツ

マンション売却では、工夫次第で手取り金額を増やせる可能性があります。

 

手取り金額を増やすために押さえたいコツを4つご紹介します。

 

マンションをできるだけ高値で売却する

まず大前提となるのが、マンションをできるだけ高値で売却することです。諸費用や税金を抑えても、そもそもの売却価格が安価では手取り金額も少なくなってしまいます。

 

マンションを高く売るためのポイントとして以下の方法が挙げられます。

 

  • 相場をしっかり把握し、適正価格を設定する
  • マンションの需要が高い時期に売却する
  • 画像や動画など訴求力のあるコンテンツで物件の魅力をアピールする
  • 室内の目立つ汚れや設備の不具合を解消しておく

 

マンション自体の資産価値を上げることはもちろん、買い手候補者に選ばれるための工夫も必要です。

 

特例や控除などの税金対策を利用する

不動産売却では支払う税金が少なければ、最終的に売主の手元に残る金額が多くなります。つまり、マンション売却で手取り金額を増やすためには、税金対策が必須といえるでしょう。

 

以下は、手取り金額を増やすために活用できる国の特例制度や控除です。

 

制度の名称 内容
公共事業などのために土地や建物を売った場合の特例 最高5,000万円の控除
マイホームを売ったときの特例 最高3,000万円の控除
特定のマイホームを買い換えたときの特例 譲渡益にかかる課税の繰り延べ

参考:No.3223 譲渡所得の特別控除の種類|国税庁

 

特例や控除の適用によって課税対象所得がゼロになると、納税自体が不要になる可能性もあります。特例の適用要件を満たしているかを判断するには専門知識が必要なこともあるため、詳しくは税理士や不動産会社に相談しましょう。

 

税金の計算に用いる譲渡費用や取得費を漏れなく計上する

税金を正しく計算することは、税金を最小限に抑えるための方法でもあります。

 

先述したように、譲渡所得は売却価格から譲渡費用や取得費を控除します。つまり、譲渡費用や取得費が高額であるほど売却価格から差し引ける額が多くなるため、譲渡所得が減り税額も少なくなるのです。

 

反対に譲渡費用や取得費に漏れがあれば、本来よりも譲渡所得が増えてしまい、必要以上の税金を支払うことになる恐れがあります。たとえば、取得費が分からないと売却価格×5%となるため、本来の取得費よりも低い場合は課税額が多くなるでしょう。

 

税額を減らして手取りを増やすためには、税金の計算に用いる譲渡費用や取得費を漏れなく計上することが大切です。

 

なお、売却価格から差し引ける譲渡費用や取得費は、領収書などの資料が残っているもののみです。証憑を提示できない費用は計上できない点に注意してください。

 

参考:国税庁|No.3258 取得費が分からないとき